銀河の星屑
僕がいる場所はキッチンの隅で、目の前にはナイフを持っている中條がいた。

どう見てもこの状況は、袋に入れられる寸前のネズミだ。

クソ、周りをよく見ていれば…。

いや、ヘタしたらこれは中條の策略かも知れない。

僕がナイフに気をとられているのをいいことに、自分はナイフを振り回して追いつめる。

よく考えたもんだ。

見あげた神経をしているなと思う。

…見あげたくないけど。

「もう逃げ場はない」

中條が言った。

「死ね」
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