銀河の星屑
そう思っていたら、
「蓮ちゃん!」

水萌の声に、嫌な予感がして後ろを振り返った。

「――中條…」

前田さんにフライパンで殴られ、気絶していたはずの中條が目の前に立っていた。

ギラギラと、獲物を狙っているかのように光っている目は、もう人間らしさは見当たらなかった。

「今すぐに黎から離れろ!」

中條は叫んで、血に濡れたナイフを僕に向けた。

血に濡れた…まさか、前田さんが。

「あいつに離婚届じゃなくて、ナイフを送ればよかったな」

その様子から、僕は全てを理解した。
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