銀河の星屑
ポタポタと、床に雫が落ちる。

姉は、両手で顔をおおった。

ずっと、そばにいたはずだった。

隣で、見てたはずだった。

けど、心の中までは見ることができなかった。

姉がどう思ってたかを僕は知ることができなかった。

「――もう苦しい思いをしなくてもいいよ」

そう言った僕に、姉は顔をあげた。

「憎まれても、嫌われても、姉さんは姉さんだ。

でも、話して欲しかったし言葉で伝えて欲しかった」

「――蓮…!」

姉さんが僕の胸に飛びついた。

僕と水萌は顔を見あわせた後、微笑んだ。
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