銀河の星屑
水萌の退院の日を迎えた。

「あー、久しぶりだー」

「よく言うよ」

病院を出るなり、いきなりそう言った水萌に僕たちは苦笑いをした。

「だって、わたしの躰で外に出るんだもん。

何か浦島太郎になった気分」

「何だよ、それ。

意味がわかんねーよ」

でも、笑っているのは自分でもよくわかる。

「みーちゃん、退院おめでとう」

黎が水萌に花束を差し出した。

「わーっ、ありがとう!

さすが黎ちゃん、優しい!」

「俺は?」

「さあね」

「ひどい…」

でも、幸せなのは事実である。

僕たちは青空の下で笑いあっていた。

☆★END☆★
< 232 / 233 >

この作品をシェア

pagetop