銀河の星屑
けれど、僕の視線はしっかりと2人に向けられていた。

胸元まである明るい茶色の髪をサイドに束ねた僕の恋人と腰まで伸ばした親譲りの黒髪の僕の姉――まるで姉妹みたいな2人を見ながら、僕は1人で幸せに浸っていた。

「あ、もうこんな時間だ!

早く行こう、映画が始まっちゃう!」

「ああ、そうだった!」

思い出したとたんに、2人は慌て出した。

「全く…」

呆れたように呟く僕だけど、何だかんだで楽しい光景だ。

「じゃ、行ってきまーす」

「お昼は昨日のカレーを温めて食べてね」

2人が手を振りながら、家から出て行った。
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