銀河の星屑
「――黎…」

低い声で黎ちゃんの名前を呟いたかと思ったら、唇をふさがれた。

えっ…?

わたし、この人とキスをしてるの…?

蓮ちゃんじゃなくて…?

どうして…?

わたしは訳がわからなかった。

躰が寒さを感じたみたいに震え始める。

怖い、怖いよ…。

「――ヤだっ…!」

ドン!

怖くて、怖くて、わたしはその人を突き飛ばしていた。

「――黎?」

まるで信じられないと言うように、その人は眼鏡越しの目を見開いた。
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