銀河の星屑
とにかく、今は急いで図書室を後にした。

もう会いませんようにと、何度も心の中で祈りながら。


「――最悪…ッ」

小さな声で、わたしは呟いた。

まだ授業中と言うこともあり、トイレには誰もいない。

わたし1人だけだ。

ザーザーと、水道の音が流れている。

流れるそれを両手ですくうと、唇をゴシゴシと擦った。

キスされたことを忘れるために、何度も何度も…。

「――消えない…」

触れられた感触が気持ち悪い。

キスをされことが怖かった記憶は、どうやっても消えない。
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