銀河の星屑
「んっ?」

それに気づいて、僕はそれを拾いあげた。

「何だ、これは?」

それは、よく病院でもらう薬を入れる袋だった。

「――『橋爪クリニック』…?」

患者の名前の欄には、姉の名前が書いてあった。

風邪でもひいていたのかな?

特にそんな様子はなかったけど…。

そう思いながら、僕はそれをゴミ箱に入れた。

けど、風邪をひいていたならひいていたで僕に言えばいいのに。

わざわざ隠れて病院に行く理由がどこにあったのだろうか?

そう思ったけど、僕はその本当の理由に気づかなかった。

今度は自分のカバンを置きに行くために、僕は姉の自室を後にした。
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