銀河の星屑
2人が眠っている病室を僕は訪ねた。

ああ、眠っている…と、その姿を見た僕は思った。

機械音を立てながら規則正しく心電図が動いている。

「――夢なら、醒めてくれよ…」

まだ眠っている2人に呟くけれど、何も答えてくれない。

神様は、残酷だ。

2人をこんな目にあわせた意味がわからない。

2人が何をしたと言うのだろうか。

ただ生きて、笑って、当たり前のように過ごしていた。

その当たり前が簡単に崩れるなんて…。

地獄を見ていると言うのは、まさにこう言うことだと思った。

「――蓮ちゃん…」
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