銀河の星屑
「臨時休業だって」

そう言った水萌に、
「無理もないよ、院長が殺されたんだから」

僕は言い返した。

ドアの前には、『臨時休業』と書かれた札がかけてあった。

「どうする?

日を改めて、またきた方がいいかな?」

「まあ、その方がいいような気もするけど…何かなあ」

2人で考え込んでいたら、
「あの、何か?」

誰かに声をかけられた。

振り向くと、髪を後ろで1つに束ねた若い女の人がいた。

「あ、どうも」

僕は会釈した。

「えっと、ウチに何か用ですか?

私、このクリニックで事務として働いているものです」

そう言った彼女に、
「ああ、はい」

僕は返事をした。
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