銀河の星屑
ここに本人…の器があったことに僕は気づいた。

今まで水萌だったから、少しだけ忘れていた。

「いえ、知っているのは名前だけです。

事務員と言いましても、私はパートですから。

それに、彼女がくるのはいつも夜の遅い時間帯で」

彼女は僕の質問に答えた。

どうやら、知らないみたいだった。

よかったのか悪かったのか、まあ結果的にはいいのか?


帰りの道をバイクで走りながら、僕は自宅へと向かっていた。

「しかし…探偵なんて、よくあんなことを言えたよな」

僕は言った。

「だって、探偵と名乗った方がいろいろと教えてもらえるんじゃないかなって思って」

そう言い返した水萌に、
「いろいろって何だ、いろいろって」

僕は呆れた。
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