銀河の星屑
正直、僕は戸惑った。

とっさに出てきたウソが探偵って何だよ。

「じゃあ、わたしは何て答えればよかったの?

患者の弟ですって、言えばよかったの?」

そう言った水萌に、
「探偵の方がまだいいです」

僕は言い返した。

とりあえず、自体は抜け出せた訳だしな。

「話を整理すると、姉さんは不眠症を患って『橋爪クリニック』に通院してた。

事務の人は子供を送った朝の9時から子供を迎えに行く夕方の5時までパートで働いているけど、姉さんのことは話を聞いていただけで顔を見たことはなかった。

彼女曰く、姉さんはいつも夜の遅い時間帯にくる」

聞いたことを並べた僕に、
「でも、何で遅い時間帯にくる必要があるんだろうね。

昼間にきたっておかしくないのに」

水萌が言った。
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