I MISS YOU…[短編]
ヒラヒラと、桜の花も散り始めた4月。
戸上 仁[トガミ ジン]
高校2年生。
新しい学年に上がり、特に変わったこともなく、この1年が始まろうとしていた。
そして、今年早々。
俺にはアンラッキーな出来事が起こった。
「じゃあ行くよ?じゃんけん…」
「「「ぽんっ!」」」
そろりと、自分の手を覗き込む。
そして、次に周りのヤツの手をチラッと横目で見てみる。
「よっしゃ!仁の負けーっ」
「ウッソまじありえねー…」
次の瞬間、俺はガクリと肩を落とした。
そんな俺を、ニヤニヤしながら見ているヤツら。
「と、いうワケで…」
ニコリと笑い、俺の肩をポンと叩いた。
「「いってらっしゃーい♪」」