I MISS YOU…[短編]
「やらなきゃダメだよなあ…」
俺は肩を落として、倉庫を見上げた。
ヒラ…
その時、俺の肩の上に落ちてきた桜の花びら。
「キレー…だな…」
俺は花びらを手に取ると、桜の木を見上げた。
「…っうわあ!!?」
見上げた桜の木には…一人の女の子が座っていた。
長い黒髪に、紺色のワンピース。
大きくて、薄い灰色の瞳。
俺は驚いて、その場に腰を抜かした。
「なっ…ななっ……何で!?
…つか誰っ…!!?」
女の子は軽く微笑むと、ストンと枝の上から下に降りた。
「あたし、有菜[アリナ]って言うの。
あなたは?」
「……仁。」
その時は、不思議と恐怖は感じられなかった。
それよりも、なぜか居心地がよかった気がする。