シンデレラと魔法使い
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食事もおわりに近付いた頃、王子が席を立った。
「皆さん、本日は私のために集まっていただきありがとうございます。今宵はどうぞお楽しみください。最後に、挨拶が遅れてしまい誠に申し訳ございませんでした。」
王子が一礼し席に戻ったと同時に音楽が始まり、皆が踊り始めた。
「あ、あのムースおいしそう…」
色気より食い気の私は新たなデザートをとりにいこうとした、そのとき…
「すいません。」
「はい……!!」
振り返ると、王子がいた。
「なんでしょうか?」
なにか悪いことでもしたのかと思い、少し緊張しながら答えた。
すっと、一歩近付いてきた王子におこられるのかと少し身構えた私とは裏腹に
王子は私の前で床に片膝をつき右手を差し出した。
「え?」
「私と、一曲踊っていただけませんか?」
「………はい。」
一国の王子(それも超美形の)からの誘いを断る者なんていないと思う。
現に私も、叫びそうになる声を抑え、王子の手を取っていた。
それと同時に音楽が変わる。