シンデレラと魔法使い
「入りませんね…」


王子の家臣がつぶやく。


「そ、そんな!」


カトリーヌは、焦りながら足を力任せに入れようとする。


だが、足が大きく入らない。


「カトリーヌお姉さま、おやめください。」


カロリーヌが言う。
その口調は、淡々としたものだが本心でははやく履きたかったのだ。


(私はカロリーヌお姉さまより足が小さいから入るはず!)


しぶしぶ足をだすカトリーヌ。


「次はあなたですな。」


「はい。」


心なしかその声は震えている。


ガラスの靴に歩み寄り、そっと足を入れた。


滑り出しは順調で、足がすっと入る。


王子たちが息を呑むのが分かった。


だが、しばらくすると期待に満ちていた顔は落胆の色に変わった。
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