シンデレラと魔法使い

「アンヌ!?」


レオの驚いた声が頭上から聞こえる。


だが、私は答えれなかった。
そのかわりにぎゅっとレオを抱きしめる。


その様子に一瞬ビックとしたレオだったが恐る恐る私を抱きしめ返してくれた。


「バカ!っ……今更…遅いのよ!」



「ごめん…」



「…あんなひどいこといって…いまさら…待ってるなんて…」


泣きながら、レオに言う。


あたりはもう真っ暗だった。


「ごめん…」


「レオなんか…大っ嫌い……でも………」


「…でも……?」


レオが恐る恐る聞いてくる。



「でも………大好き……」


「っ…!!……俺も…」


私達はきつくきつく抱きしめあった。


「こないかと思ってた…」


「そんなわけないじゃない!!」


私たちは見つめあった。


『好きなんだから』


その一言が私の口から出ることはなかった。


レオの唇で私の唇がふさがったから。




唇をはなした私たちは見つめあい、同じ言葉を口にした。






『愛してる』と……














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