シンデレラと魔法使い
おまけ
1
「ルイ!!」
城の庭で一人ぼーっとしていると、少し息をきらしたアシルがかけてきた。
「アシル?どうしたんだ?」
「…大丈夫か?」
「何が?」
「何がって、お前…はぁ」
アシルは大きなため息をひとつこぼして俺の横に座った。
「アンヌのことか?」
アシルにたずねる。
「あぁ。」
数時間前、アンヌは俺の元を去った。
その後の騒ぎをようやく落ち着かせ今は休憩中だったのだ。
「大丈夫と聞かれたら大丈夫じゃない。でも辛いかと聞かれたら辛くないって答えるな。」
「なんだよそれ。」
アシルが少し笑う。
本当は少し辛い。
愛する人が自分とは違う人を選んだのだ。
でも、思っていたよりは辛くない。
それは事実だ。
「ひとつ聞いていいか?」
「ああ。」
「なんで、行かせたんだ?お前なら引き止めれただろ?」
「まあな。…でもそれじゃ駄目なんだ。もし、権力やらなんやらで引き止めたとしてもアンヌは結婚した後絶対心を開いてくれない。それに、好きな人の幸せを願うのは当たり前だろ?」
「…はあ。」
「なんでため息つくんだよ!!」
まじめに言ってるのにと少しすねる。
こんな風にしゃべれるのは幼馴染のアシルだけだ。
「ルイって本当にお人よしだよな。」
「そうか?」
首をかしげる。
「そういうとこがお人よしなんだよ。」
「?」
相変わらず首をかしげる俺にアシルは大きなため息をつきもういいといった。
「俺、そろそろもどるな。」
「ああ。」
アシルの背中を見送り思う。
あまり辛くないのは、もうひとつ理由がある。
たとえ、自分じゃない誰かを思っていたのだとしても、最後に心の底からの笑顔をみれた。
それだけで、俺は十分だ。
「こんなこといったら、またお人よしって言われるんだろうな。」
呟いてから立ち上がる。
「よしっ、いくか。」
俺は歩き出した。
ルイが運命の人と出会うのはもう少し後――――
物語は始まったばかり。
城の庭で一人ぼーっとしていると、少し息をきらしたアシルがかけてきた。
「アシル?どうしたんだ?」
「…大丈夫か?」
「何が?」
「何がって、お前…はぁ」
アシルは大きなため息をひとつこぼして俺の横に座った。
「アンヌのことか?」
アシルにたずねる。
「あぁ。」
数時間前、アンヌは俺の元を去った。
その後の騒ぎをようやく落ち着かせ今は休憩中だったのだ。
「大丈夫と聞かれたら大丈夫じゃない。でも辛いかと聞かれたら辛くないって答えるな。」
「なんだよそれ。」
アシルが少し笑う。
本当は少し辛い。
愛する人が自分とは違う人を選んだのだ。
でも、思っていたよりは辛くない。
それは事実だ。
「ひとつ聞いていいか?」
「ああ。」
「なんで、行かせたんだ?お前なら引き止めれただろ?」
「まあな。…でもそれじゃ駄目なんだ。もし、権力やらなんやらで引き止めたとしてもアンヌは結婚した後絶対心を開いてくれない。それに、好きな人の幸せを願うのは当たり前だろ?」
「…はあ。」
「なんでため息つくんだよ!!」
まじめに言ってるのにと少しすねる。
こんな風にしゃべれるのは幼馴染のアシルだけだ。
「ルイって本当にお人よしだよな。」
「そうか?」
首をかしげる。
「そういうとこがお人よしなんだよ。」
「?」
相変わらず首をかしげる俺にアシルは大きなため息をつきもういいといった。
「俺、そろそろもどるな。」
「ああ。」
アシルの背中を見送り思う。
あまり辛くないのは、もうひとつ理由がある。
たとえ、自分じゃない誰かを思っていたのだとしても、最後に心の底からの笑顔をみれた。
それだけで、俺は十分だ。
「こんなこといったら、またお人よしって言われるんだろうな。」
呟いてから立ち上がる。
「よしっ、いくか。」
俺は歩き出した。
ルイが運命の人と出会うのはもう少し後――――
物語は始まったばかり。