見えないモノと、指の銃。
プロローグ



……何だか体がだるい。

いつもと変わらない1日を終えて、
さっさと帰ろうと、席を立とうとした。

その時だった。

……頭に、何かが当たった。


少しの痛みに振り向くと、
そこにはネクタイの色からすると
恐らく後輩なのであろう奴が立っていた。

彼は廊下に面した窓から、
指を銃の形にして、
それを俺につきつけていた。


そして、言う。


「殺してあげましょうか?」

「……その、手で?」


思わず哂ってしまう。



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