見えないモノと、指の銃。


『この女が殺しにくんの?』


黒い画面がまだ続く中、
そんなコメントが流れて、俺も気が付いた。


私を殺しに来る、彼女を止めて。


それが、メールの内容だった。


逃げたと思った女の人が、
メールの主を殺しに来る。

相変わらず意味は解らないが、
そんな風にとった方が、怖いだろうな。

受信した側に、解釈を任せるような、そんなメールなんだろうか。


まあ、なんでもいい。
何事も起こらないのなら。

第一、止め方とか知らないし。
そもそも、俺、呪われて無くね?

メールにも、特に何も書いてなかったし。
動画が『のろい動画』だって書いてただけだ。


ようやくカーソルも動かせるようになり、
さて、じゃあ閉じるかと、閉じるボタンへ持っていく。

丁度、動画の残りも3秒程になっていた。


そして画面が消える寸前、
耳をつんざくような悲鳴が流れた。

……大音量で。


もちろん教室中の視線が一気に集まり、
授業中に何見てるんだと、先生に怒られた。


これはある意味、呪いかもしれない。

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