見えないモノと、指の銃。
あとは何事も無く帰宅して、寝て、
次の日はやっぱり予想通り、メールについて聞かれた。
特に、元の内容を知っている奴から。
それをかわしながら、席に着く。
首を絞められたせいで、
当分はネクタイなんか圧迫してくる物を着けられそうにないけれど、それはいつも通りだからいい。
そこは、偏差値の割に校則の緩い学校に感謝だ。
1年からすでに外している奴は多くて、
三枝みたいに着けてる奴の方が逆に珍しい。
アイツ真面目だな、と一瞬思ったけど、
そういや髪は茶色かった事を思い出して、
ただネクタイ好きなんだろうなと思い直した。
そういう事にしておこう。
そんな事を考えていると、携帯が鳴った。
送られてきたのは改変後の、のろいメール。
差出人は、昨日送った中には居なかった友人。
……広まるの早過ぎだろ。
とりあえずこのメールは止めておく事にして、携帯を閉じた。
人の想いも怖いけど、
情報伝達の進化も怖いと、俺は思った。