見えないモノと、指の銃。
そのペンダントをやけに気に入ってしまって、毎日肌身離さずつけていた。
それどころか、外すと何故か、不安になった。
だけど手放せない事には誰も気づいていないだろう。
学校では制服の下にTシャツでも着て置けば目立たないし。
常に着けている事を知っているのは、
やっぱりこの、後輩位だろう。
「あ、今日も着けてる」
「別にいいだろ。気にすんなよ」
そう言って、機嫌の悪いふりをすれば、すぐに話を変える。そういう奴だ。
俺の顔色を窺っている……というよりも、俺をよく見ている。
そんな後輩がふってきた、
今日の話のネタは、近くの心霊スポット。
そこに肝試しに行かないか、との事だった。
「……それこそ珍しいな」
「俺にだってそういう事したい時はあるんですよ」
怖いですか?と、尋ねられる。
「まさか。いいよ、行ってやるよ」
そんな訳で、肝試しに行く事になった。