見えないモノと、指の銃。
その場所に来てみれば、
確かにそこには、同い年ぐらいの少年が座り込んでいた。
最初は幽霊だとは気づかずに、
具合でも悪いのかと声をかけようと傍に寄った。
すると彼が顔を上げて、
いつの間にか隣に来ていた三枝が、
「もう大丈夫ですよ」
そう言って、いつものように指を向け、撃った。
誰の姿も無くなっていたから、
その人がもう居ない人であった事にようやく気が付いた。
そして三枝は、少し離れた後ろに立っていた人に声をかけた。
今日も花を持って来ていた彼は、
「でもやっぱり、時々は来ようと思います」
俺の気持ちの整理が付くまでは、と眉を下げて笑った。