見えないモノと、指の銃。
彼も、俺と三枝も、帰ろうと空き地を出た。
そこで視界の隅に何か光る物を捕らえる。
見てみると、
道路の端の用水路に、何かが落ちそうになっていた。
「何だ?これ」
拾い上げてみると、長い鎖のついた、ペンダントだった。
下の方には、穴があいていた。
これに似たようなのを、前に見た事がある。
その事を思い出すと同時に、
ここの空き地に関する、とある噂を思い出した。
「あ、それ……」
「持って帰ります?」
思わずといった風に声を出した彼に、三枝が尋ねた。
どうやらそれは、座り込んでいた人の物だったらしい。