見えないモノと、指の銃。
青年と別れてから、三枝に話しかける。
「なあ、あれってさ」
空き地に関する噂。
最初の事故で見つからなかった指。
それを持ち帰った誰かは、
骨だけにして、ペンダントに入れた。
そのペンダントは、遺骨を納める物で、
使い方としては間違っていない。
他は色々とおかしい事だらけだけど。
そしてそれを、道端で売ったそうだ。
理由なんて知らないけれど、
気づいた人がどれだけ驚くだろうか。と、
とにかく悪趣味すぎる悪戯のつもりだったらしい。
だけど指の持ち主は怒って、恨んで。
それが売り主に向けばいいのに、
買った方に向いてしまい、
持ち主があの場所で事故に遭うという、
呪いのペンダントになったらしい。
買って着けていたという、
周りの証言はあったけれど、
事故の後、問題のペンダントはどこにも見当たらない。
そしていつの間にか、
どこかの露店で売られている。
そしてまた……そんな噂だ。
それも最後の事故の後、止まったらしいけど。
「中身無いし、大丈夫だと思いますよ」
そう答える三枝に、ついでとばかり、
俺はこの間少し気になった事を聞いてみた。