見えないモノと、指の銃。
「名乗り忘れてたけど、
あなたの前世の娘で、今は加々美家次男、
加々美 秀明(かがみ ひであき)と言います、母さん!」
腕にしがみついた状態で、そう自己紹介した。
そして最後に言った一言に三枝は、
一瞬呆気にとられた顔をしたが、次の瞬間には爆笑していた。
「まあ幽霊がいるんなら、
前世だって信じてみてもいいんじゃないですか?」
笑いながらそう言われると、余計に信じたくなくなる。
そもそも、本当に前世で繋がりあるとしたって、どうしろと?
親孝行させてくれと言われたって、困るだけだ。
「……そもそも何で分かるんですか?」
「俺、前世の記憶があるんだけど、
母さんと喧嘩別れって感じになっちゃって……だからずっと探してて!一目見た瞬間、分かりました!」
だから親孝行させて!と、再び叫ばれた。