見えないモノと、指の銃。
「ちょっといいか?
なんで子どもは、かげぐち君を怖がるんだ?」
陰口を言っている奴がいても、ここに来る事さえ嫌がるほどに、怖がる事は無いだろうに。
「なんでもかげぐち君に遭遇すると、
自分の悪口を言われて、その後は事故に遭うだとか言われて、実際に起こるから、らしいですよ」
……それは探しに行く前に言うべき事じゃないだろうか。
加々美さん、はりきってもう豆粒位の大きさにしか見えない程遠くにいるし。
「大丈夫ですよ。
何か起こる前に、撃っちゃえばいいんですから」
三枝はそう言ったけれど、見つけたとして、
それを伝えられなければ困るだろう。
まだかろうじて視界に入るうちに追いかける事にした。