見えないモノと、指の銃。

「ちょっといいか?
なんで子どもは、かげぐち君を怖がるんだ?」

陰口を言っている奴がいても、ここに来る事さえ嫌がるほどに、怖がる事は無いだろうに。


「なんでもかげぐち君に遭遇すると、
自分の悪口を言われて、その後は事故に遭うだとか言われて、実際に起こるから、らしいですよ」

……それは探しに行く前に言うべき事じゃないだろうか。
加々美さん、はりきってもう豆粒位の大きさにしか見えない程遠くにいるし。


「大丈夫ですよ。
何か起こる前に、撃っちゃえばいいんですから」

三枝はそう言ったけれど、見つけたとして、
それを伝えられなければ困るだろう。

まだかろうじて視界に入るうちに追いかける事にした。

< 162 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop