見えないモノと、指の銃。
「……そういや俺、
幽霊とか見える人じゃないんだけど」
なのに、はっきり見えていた。
何でだ?
そんな疑問をぶつけてみた。
「うーん……
邪魔だったんじゃないですか?」
「何が」
「それが」
そう言って三枝は指さした。
俺を。
「どれだ?」
「あ、やっぱ見えないのか」
訳が解らない。
そんな俺に、
さらに訳の解らない事を言い出した。
「俺にはね、
風船がたくさん見えるんですよ」
「……風船……?」