見えないモノと、指の銃。


「……そういや俺、
幽霊とか見える人じゃないんだけど」

なのに、はっきり見えていた。
何でだ?

そんな疑問をぶつけてみた。


「うーん……
邪魔だったんじゃないですか?」

「何が」

「それが」

そう言って三枝は指さした。

俺を。


「どれだ?」

「あ、やっぱ見えないのか」

訳が解らない。

そんな俺に、
さらに訳の解らない事を言い出した。


「俺にはね、
風船がたくさん見えるんですよ」

「……風船……?」


< 21 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop