見えないモノと、指の銃。


幸いな事に、何ヶ月もはまだ経っていない。

ただでさえ中の中が限界な成績だけど、
死ぬ気でやれば、なんとか取り戻せるだろう。


退院して、今日が初登校日。

早くから用事のあるらしい八紀は、
渋りながらも先に登校して行った。

俺はいつも通りの時間に家を出る。



「あ、入野!」

呼ばれて振り返ると、そこに居たのは萩原だった。


……そういえばコイツも、
俺たちと同じ、歳の差が1つの兄弟だったか。

俺の頭は、なんとも騙されやすい作りだったらしい。
自分自身で簡単に誤魔化されていた。


久々で色々と話した気な萩原をどうにか先に行かせ、何となく1人で歩く。


まだ時間はあるから、ゆっくりと。


……早く体力も全快させないとな。


そんな事を考えながら歩いていると、
またしても背後から声がかけられる。

「おはようございます、先輩」


三枝だった。

< 219 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop