見えないモノと、指の銃。


「まあ、逆に目立ってるんで、
見つけやすくて助かりましたけど」


全校集会で見かけて、
それで俺に話しかけて来たんだと言う。

おとりで使えそうだし、
それに見過ごしても後味悪いし、と。


何を見過ごすんだ?

訪ねてみても、曖昧に笑うだけ。


「ああいうの、
負の感情に引き寄せられるし、
本当に先輩、いいおとりですよ」

「……嫌味なのか?」

褒められてる気はまったくしない。
褒められても嬉しくないし。



「先輩も影響されるのは面倒ですけど、
とにかく、
またよろしくお願いしますね」


そして駅前で三枝と別れた。
他にも聞きたい事はあったけど、
とりあえず今度でいいだろう。


そして、
また が、あるのかやっぱり。



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