見えないモノと、指の銃。
「そう、貼り紙!
『一かい百えん』って書いてるんだって」
「……いじめだろ、それ」
しかも結構酷いじゃないか。
「違うんだよ!
なんか自分で貼ってるらしくてさ」
「えー」
どんな女子高生だよ、それ。
見た相手の反応を楽しんででもいるんだろうか。
「その子に声かけたら、
買いますか?って聞いて来るんだって」
「……へー」
割と品行方正な感じじゃないか?
あの学校の生徒って。
「でもあんまりにも可愛くて、
いいです!って逃げちゃったんだ……
って奴がいたんだってさ!」
「声かけたのか、お前」
ジトッと萩原を見つめると、
誤解だって!と訂正を求めてくる。
どう考えても
そうとしか考えられないから、
彼の事は無視して窓の外を眺めた。
今日もいい天気だ。