見えないモノと、指の銃。


「どうですか?」


声をかけても居ないのに、
何故か彼女は振り返った。

そして俺に話しかけてくる。


「百円ですよ」

そう言ってニコリと笑う彼女に、
手が勝手に……財布へ伸びた。


そして一枚の硬貨を取り出す。


いや、確かに可愛いけど。
なんで俺、買おうとしちゃってんだ?


戸惑っている間に、
俺の手から彼女が百円玉を取った。


「ありがとうございます。
それじゃあ、話しましょうか」


彼女はまた、笑った。

話……?



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