見えないモノと、指の銃。
言われた途端、
背筋に寒気が走った。
いくつもの視線が、
俺に向けられている。
上から、下から。
何も無い所から。
そして視界の隅に映った、人影。
「そうそう、
言い忘れていましたけど、
買った恨みが引き継がれるんですから、
恨んでる側も、
受け継いでても仕方がないですよね?」
生きてる人間からの、視線。
「それじゃあ、お憑かれさま」
固まる俺を放置し、
少女は立ち上がり、去って行く。
風に吹かれて、
彼女の背中の紙がひるがえった。
裏面に書かれていたのは、
『一回一怪、百縁百円』
……俺はもしかすると、
100人分の恨みを買ってしまったんだろうか。