見えないモノと、指の銃。
とにかく、教室から出よう。
そう思った頃には、
怪談話をしていた奴らは、
すでに教室から逃げ出していた。
所々の席には荷物が残され、
怖がり具合もうかがい知れる。
今残っているのは、
俺と一緒だった萩原ともう2人の友人。
顔を見れば、みんなも出たいらしい。
一様に青ざめている。
「とにかく行こう」
席に戻って鞄を持つ。
そして声をかけると、
ああ、と返事をして全員立ち上がった。