見えないモノと、指の銃。
今日も1人、教室を後にする。
三枝は今週掃除当番らしく、
待っていろと言われた、
何も当たっていない俺が
その辺をうろうろしていると、
この少女に出会ったという訳だ。
今日も彼女は外を見つめる。
窓から、まっすぐに空を。
時々窓枠に座って、
「死にたいの」
やっぱりそう言う。
「飛び降りたいんなら、
屋上でも行けば?」
俺がそう提案すれば、
「知らないの?
屋上、今年の春から立ち入り禁止よ」
そう返された。
いつの間にか、
そうなっていたらしい。