見えないモノと、指の銃。
そうして少女は、
窓枠から降り、空に立つ。
まるで地面に降り立ったかのように。
俺に向かって手を伸ばし、
そして誘う。
「一緒にいこう?今度こそ」
やっぱり、と思った。
彼女の着ている制服は、
十数年前に今の物に代わる以前の物。
違和感はあったけれど、
そんな事に今さら気が付いた。
彼女は何らかの事情で、
誰かと飛び降りたんだろうか。
だけど、失敗した?
だから『今度こそ』なんだろうか。