見えないモノと、指の銃。
考え込んでいると、
三枝が手招きした。
「さっさと降りて、帰りましょうよ」
言われるままに窓から降りた途端、
強い風が吹き抜けた。
開いている廊下の窓から、
こちら側へヒュウッと抜けた風。
生温く、人の体温みたいだ。
もう少し上っていたなら、
もしかすると、押されていたかもしれない。
なんだかとても嫌な感じだ。
それを振り払うように、
首を振って教室を出た。
外から感じる風は、
冷たく、心地よかった。