見えないモノと、指の銃。
まるでミニチュアのようだ。
望遠鏡から見た風景に、そんな感想を抱いた。
とりあえず辺りを見回していると、
地上にいる誰かが目についた。
その人は建物の影から半分程見えていて、
地面に手をついて、何かを探しているようだった。
コンタクトでも落としたのかな?
そう思って眺めていると、
ふいにその人が顔を上げ、目が合った気がした。
まさか、と思いつつも、
何かぞっとするものを感じ、
俺は慌てて望遠鏡から顔を離した。
「ん?どしたー?」
「や、なんかさ、下にいる人と目が合った気がして……」
突然顔を上げた俺に気づいた萩原が俺に尋ねた。
そして答えると、彼は笑って言った。
「そりゃ、もちろん気の所為だって!
さすがに人の顔まで見えないだろ?」
そう言われ、もう1度望遠鏡を覗いた。