見えないモノと、指の銃。

特に不審な事は何も無く、
無事に残りの半日を過ごした。

だけど布団に入り、眠りについた後。

俺は奇妙な夢を見た。



どこか薄暗い路地で、俺は這いつくばって何かを探している。
探している物が何なのかは知らない。

それでも体は勝手に動き、
数時間が過ぎた頃、ようやく何かを見つけた。


手を伸ばした先には、人間の腕。

誰かの指先と触れあい、
それを掴めば、スッと消え、
まるで俺の中に取り込まれたかのようだった。

そして俺は何故かこう思った。

『戻ってきた』と。


それだけじゃない。

俺にはちゃんと両足がある事を解っているのに、
それらが足りない。探さなければ。と、次にそう思った。


そうして別の場所へ移動しようとした時に、目が覚めた。


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