見えないモノと、指の銃。
何故か仰向けになっていたから、
とりあえず体を起こす。
やっぱりあの、踏切の場所だ。
座り込んだ場所は、線路の上。
そして地べたについた手から伝わる、
冷たい感触にギクリと視線を落とす。
……足だ。
拾わないつもりだったのに、
何の意識もせずに、触れてしまった。
これ、拾った内にカウントしないよ、な?
誰にともなく、心の中でそう尋ねた。
次の瞬間、その問いは1人に向けたくなる。
白い顔の少女が、ニタリと笑みを浮かべて、俺を見ていた。
離れていたはずの彼女は、
俺が起きている間にでも移動したのか、
手を伸ばせば届くほど、すぐ近くにいた。