見えないモノと、指の銃。

動け。と命令してみても、
何故か俺の手足は動かない。
特に、両足と、今日はよく見ていた片腕が。

これは、恐怖からなのか、それとも……?


不自由なく動く首を傾け、横を見る。
そこにはもう、白い足は無かった。



少女は片腕で、這い、にじり寄ってくる。

俺も同様に、白くない手を後ろについて、
少しでも遠ざかろうと、力を入れる。

だけど、上手くいかない。

手足の自由の他に、
やっぱり怖さもあるんだろう。


そのまま退避し続けようとしても、
少しずつ、距離は埋まっていく。


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