見えないモノと、指の銃。


目が覚める気配も無いし。

寝転がったまま、
どうすべきか考えていると、
どこかから、足音が聞こえてきた。


他に物音がしないから、
小さくても聞こえている。


少しずつ、それは近づいてきて、
夕日に照らされた影が伸びてきた。

さらに近くまで来て、
その人の歩みは止まった。


逆光で、何者かの顔は見えない。
だけれどその腕に、何かを抱えているのが見えた。


少女のものより白くは無い、
けれど辺りの暗さからは浮いている。

それは、人間の手足だった。

恐らく、俺の。


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