ラストイニング
僕もピッチャー希望なのに・・・。

「行くぜ。4番さんよ」

スッ

幅野が思いっきり振りかぶる。
だが振りかぶるというのはヒドイ振りかぶりではなく
綺麗なラインを残したままのフォームだった。

「少しはやるようですね」

縁無しメガネが太陽の光をうけて輝いた。


パシーン

白球はミットに吸い込まれていった

「ストライクだよ。」

ヒュッ

天野がしぶしぶボールを投げる

【コイツ、なかなかやるな。まぁいい。球筋はだいたい見えた】

スッ

パシッ

「ス・・・ストライク。」

100㌔・・・。いや110㌔を超えているファストボールが
アウトコースギリギリに吸い込まれていった


【何だ??このスピード・・・。さっきよりも10㌔速い・・・。
 まさか、俺が1球目を見送るのをわかってて・・・。】

「ラストだぜ!!」

幅野が思いっきり振りかぶる

それに合わせて工藤が構える


ボールはアウトコース高めに飛んでいく

「もらったー!!!!」

バットが猛烈なスピードで白球に向かっていく


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