キミ時間

二人きりの教室





―Saku ―




「もうすぐさ、夏休みだね」


いきなりそう言い出したのは、上機嫌な栞奈。

まあ、無理はないけど、あからさまでうっとおしい。


「本当に今日は元気だね?」


なんて嫌みも言いたくなる。


「そうかな~」


ニヤニヤと思い出したかのように、笑い始める栞奈。


はぁ、とあたしはため息をこぼした。


朝、久し振りに栞奈は大地くんと学校に来た。

その事を問いただしてから、栞奈はすごく機嫌がいい。


まあ、なんとか解決もしたらしいし、あの女より栞奈の存在がでかいことに、あたしと優衣里もホッとしている。


これであの女と来ようものなら…。


まあ、そんなことは置いといて。



「ねっねっ、夏休みも遊ぼうよ!!」



珍しく優衣里の提案からあたしたちは夏休みの計画をたてることになった。








< 100 / 164 >

この作品をシェア

pagetop