キミ時間
放課後、来週から夏休みということで早速ノリノリな二人につれられて、あたしたちは計画をたてることにした。
「優衣、遊園地に行きたい~」
「却下。暑苦しいから嫌だ」
「じゃあ、あたしは温泉旅行とか」
「あんたたちはバイトもしてないでしょうが。」
と、あれもダメ、これもダメ、とあたしはすべてにケチをつける。
なるべくお金は使いたくないし。
日帰りが希望。
じゃなきゃ、バイトができない。
「…じゃあさ、咲久ちゃんは意見ないの?」
あたしは…。
なんでもいい。
というのが、正直な意見。
でも、却下を出してるのはあたし。
なんかないかな~。
「海、とかは?」
え……?
あたしの後ろから、誰かが答えた。
この声、聞き覚えがある。
あたしは、恐る恐る後ろを振り返った。