キミ時間


「園田くん」


あの日から彼は、ほぼまいにちのようにあたしに話かけてくる。


正直、迷惑だ。


でも、そんなことは言えなくて。


あたしは必要以上には彼に構わないようにしている。



「…あれ、なんか変なこと言った?」


あなたがいるから、空気が悪くなるんだって。

なんていえるはずもなく。

彼は彼で、わざとやってるんだと思うけど。


あたしはあきれてため息を漏らす。




「じゃあ、海で良いんじゃない?」


あたしはガタン、と音をたてながら椅子から立ち上がった。


「飲み物、買ってくる」


二人の顔を見ずにアタシハソノママ財布をもって教室を出た。








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