キミ時間


「それって、好きな人いるから俺とは話せないの?」


コクンと小さくうなずいた。


園田くんの顔が見れない。


すごく失礼なことを言っているのは分かってるよ。

でもさ、期待を持たせたくないから。


彼はいい人だと思ったから。


「大橋、キツいな~」


なんてケラケラ笑ってる。


一瞬、辛そうな顔をしたけど気のせいだったかな?


あたしはスカートの裾をキュッと掴み。


「ごめん。」


それだけ呟いてから、歩き出した。






「………。」






胸が張り裂けそうだ。


自分で言ったその言葉が、そっくりそのまま返ってくる。


あたしもそうだから。


先輩には好きな人がいるのに、メールをしたり電話をしたり。


二人で流星群を見た。





なんだか彼が、自分と重なった気がした。








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