キミ時間


「え、じゃあ…俺の勘違い?」


その言葉に頷いた。


強く、頷いた。


「…だから、メールとか電話とか、またしてもいいですか?」


あたしはそう尋ねた。


迷惑とか可哀想とか、思われてるかもしれない。


でも、これがあたしの正直な気持ち。


「うん。いいよ」


いつもと変わらない、雪先輩の笑顔。

それを見て、あたしは一筋の涙がこぼれた。


そんなあたしを見て、雪先輩はクスクスと笑った。


恥ずかしい…。


ワイシャツの袖で涙を素早く拭き取る。


「落ち着くまで一緒にいるから、泣いてていいよ」


なんていうもんだから、あたしは嬉しくてまた泣き始めた。











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