キミ時間
雪先輩といると、胸が締め付けられる。
ただ一緒にいるだけなのに。
会話なんてなにもしてないのに。
そこに雪先輩がいるだけで、世界が変わる気がした。
グラウンドで部活をする声も、精一杯に鳴くセミの声も。
今、見てる景色も。
雪先輩がいるだけで、変わる。
離れて分かったの。
あたしは、
この人のことが好きだ。
気づかないうちに、強く、深く。
この人のことを好きになってしまった。
手を伸ばせば届く距離なのに。
あたしは伸ばせない。
だけど、たまらなく愛しい。
「……ん、どうしたの?」
気持ちが溢れてしまう。