キミ時間
次の日
優衣はドキドキしながら、学校にいた。
あの事を田中くんに話そう。
ちゃんとかんがえるってきめたんだから。
田中くんにも優衣のこと知ってほしい。
だから、
「え、話?」
驚いたような、どこかそんなことを予期したような複雑な表情。
優衣は小さく頷いた。
「いいよ。
じゃあ、一限さぼろー」
と、教室を出ていく。
その後を追うように、優衣も教室を出ていく。
人がいない、空き教室。
優衣たちは腰を下ろした。
二人とも無言のまま。
「いいよ、どんな話でも受け止める。
しんどいなら話さなくてもいいし、優衣里が決めて」
この人はどこまでも優しい。
だから、安心するんだ。
大丈夫…、話せるよ。
結んだ唇を緩め。
ゆっくりと口を開いた。